ファミリア(1963年~)
第4章:3代目~実質的な価値の向上
1973年(昭和48年)10月、第4次中東戦争をきっかけに、第1次オイルショックが勃発した。日本国内では、オイルショックと直接的に関係のないトイレットペーパーや洗剤などの買占め騒動が起こるほど、それはかつてない生活への不安を人々に与えた。
自動車メーカーは、それまでの安全問題、排ガス規制問題にくわえ、低燃費への挑戦という試練に立ち向かうことになった。
3代目のファミリアは、そのオイルショック直前の73年9月に発売となった。車名は、「ファミリアプレスト」となった。プレストとは、イタリア語で「早いリズム」の意味である。2代目ファミリアの途中で、ワンランク上級のファミリアとして誕生したプレストが、正式にファミリアを背負って立つことになったのだ。
ファミリーカーとして実質的な価値を高めたモデルとして、居住性、操作性、品質を中心に、機能の向上を行っている。車体は、全長/全幅ともに大型化し、「ワイド・プレスト」などとも呼ばれた。活気に満ちた時代に贈る、躍動感あふれるクルマのイメージが、プレストの車名にこめられていた。
3年後の76年2月には、希薄燃焼を採り入れ、またマツダ独自の酸化触媒を装備して昭和51年排ガス規制に適合した1,300ccエンジンを搭載する、「ファミリアプレスト1300AP」が発売となった。
同じ時に、外観デザインがファミリアプレストと異なり、サバンナと共通のスタイルを持ち、そして、プレスト1300APと同じエンジンを搭載する「グランドファミリア1300AP」が登場している。