ロータリーエンジン実用化へ、
エンジニアたちの挑戦
マツダの代表的な挑戦のひとつとして挙げられるのが、ロータリーエンジンの開発・量産化です。当時、小型で軽量かつハイパワーであるロータリーエンジンは夢のエンジンといわれており、世界中の技術者たちが研究しては、実用化の大きな壁に阻まれてきました。
そんなロータリーエンジンを、マツダは1967年発売のコスモスポーツに搭載し、実用化に成功。ロータリー47士と呼ばれる技術者たちを中心として、幾度もの試行錯誤を繰り返し、エンジニアとしての信念と意地をかけて打ち込んだ結果でした。そしてそれは、「実用不可能」とまでいわれたエンジンを何が何でも自分たちの手で実現しようとする、エンジニア達の執念が実った瞬間でもありました。
飽くなき挑戦によって勝ち取った
ル・マン優勝
1991年のル・マン24時間耐久レースの参戦で、マツダは再び世界を驚かせます。ル・マン24時間耐久レースとは、世界三大耐久レースのひとつであり、最も過酷と言われるレース。24時間でのサーキットの周回数を競い合うため、エンジンの耐久性、そして効率性が極限まで試されます。
そこにマツダはロータリーエンジン搭載車として出場し、日本車初、そしてロータリーエンジン搭載車による史上初めての総合優勝を成し遂げます。1973年に初めてレースに参戦し、完走できずリタイヤしてから18年。実に、13回目の飽くなき挑戦の末、ようやく勝ち取ったトロフィーでした。
さらなる革新的な技術へ
マツダは2011年、SKYACTIV TECHNOLOGYによって、常識を打ち破るエンジンの開発に成功しました。実は現在の内燃機関(エンジン)から生まれるエネルギーは30%しか使われておらず、考え方を変えればエネルギーの70%を損失している、ということを意味していました。そこでマツダのエンジニアはその70%をいかに減らすかに着目し、エンジンの基本設計をすべてゼロから見直したのです。
その結果、例えばSKYACTIV-Gにおいてはレーシングエンジンと同等レベルの、世界一の高圧縮比(14.0)を量産エンジンで実現。燃費・パワー・排ガス性能を飛躍的に高めた高効率エンジンの開発に成功しました。さらに同じくゼロから見直したトランスミッション、軽量なシャシー・ボディーと合わせて、SKYACTIV TECHNOLOGYは「走る歓び」と「優れた環境・安全性能」を高次元で両立。
このSKYACTIV TECHNOLOGYを搭載した新世代商品は、世界各国でカー・オブ・ザ・イヤー等数々の賞を受賞し、多くのドライバー達からも高い評価を受け、現在でもさらなる進化を遂げています。