~経営苦難の救世主にもなった初代デミオから25周年の軌跡、そしてDE型へ~

  • DEデミオモデルカー

    「マツダ デミオってどんな車?」


    皆さんは「マツダ デミオ」をご存知ですか?おそらくマツダをよく知る方もそうでない方も、一度は耳にしたことがある「デミオ」は、その長い歴史の中で語り尽くせない程のエピソードが詰まったクルマです。今回「マツダオフィシャルグッズ」のモデルカーコレクションに登場したデミオは3代目のDE型と呼ばれるモデルで、発売当時のテーマカラー「スピリティッドグリーンメタリック」が強烈な印象として今でも脳裏に焼き付いているのではないでしょうか。初代デミオが登場したのは1996年8月、実は2021年が25周年の記念イヤーでした。そして今回ご紹介するDE型は2007年7月に発売、初代から数えて3世代目にあたり、2022年で15周年を迎えます。

  • 初代デミオ


    皆さんは「デミオ」という車名を聞いて何をイメージしますか?コンパクトなボディからは想像がつかない広さの車室空間や荷室スペース、抜群の燃費、キビキビした走り、リーズナブルなお値段、ボディカラー展開の多さ等々。それぞれ思い浮かべたイメージは異なると思いますが、それこそが「デミオ」を体現しているのではないでしょうか。つまり、あらゆるお客さまのニーズに応えることができる万能選手。それを裏付ける様に、これまでの25年間で延べ150万台が販売されたという数字が物語っていますよね。これ、日本国内だけの数字です。

  • SKYACTIV-G

    「現在のマツダを語るには欠かせない先進技術を積極的に搭載」


    少し技術的な話をすると、このDE型デミオには初めて「SKYACTIV TECNOLOGY」が搭載されたという点も忘れてはいけません。発売時は、ロードスターを筆頭に歴代スポーツカー開発で培ってきたノウハウをフル活用し、先代となる2代目DY型から実に100kg以上の軽量化を実現しました。それを聞けば、あのコンパクトなボディでありながら、抜群のハンドリングを味わえることも納得頂けると思います。そんなデミオは世界各国で販売され、2008年には「世界カー・オブ・ザ・イヤー(WCOTY)」を受賞しました。そして2011年の改良時には、いよいよ「SKYACTIV TECHNOLOGY」の第一弾として「SKYACTIV-G ENGINE」を初搭載し、軽量ボディと共にエンジンをはじめとするパワートレインの継続進化を経て、当時の燃費競争時代にあっても、クラストップレベルの低燃費を維持し続けました。

  • SKYACTIV-G

    「デミオでモータースポーツ?実はそんな一面を持つデミオです」


    そんなデミオですが、モータースポーツの世界でも旋風を巻き起こしていたことをご存知でしょうか?現在のDJ型には「参加型モータースポーツのベースグレード」が存在します。ロードスターで同じ参加型モータースポーツのベースグレードとなる「NR-A」をご存知の方は多いと思いますが、デミオにも「15MB」というグレードが存在するのです。 先日公式WEB上で公開された紹介サイトも大変好評です。

  • 15MB


    このグレードが登場するまでの道のりは長く、そこにはマツダファン/デミオファンの皆さんの温かい声援と、実際にモータースポーツの世界で通用することを証明してくださった多くのユーザーの皆さんがいることを、私たちは忘れていません。 実際に、富士スピードウェイ(静岡県)で長い歴史を持つ「富士チャンピオンレース」や「ジムカーナ」、「ラリー」、そして「ダートトライアル」といったカテゴリーにおいて、1600cc以下のクラスに参戦する大変多くのユーザーの活躍があったからこそ、「15MB」が誕生したと言っても過言ではありません。

  • 「モデルカー製作に必要なデータ取り車両が見つからない!」


    モデルカーの製作についても触れておきたいと思います。今回の100周年特別記念モデルたちは、選りすぐりの約40車種がモデル化されています。それぞれのモデルを語るにふさわしいグレードやボディカラーを選定するだけでも大変でしたが、更に大変だったのは「現存する実車」を探すことです。モデルカーの製作工程は大きく、①車体データのスキャニング②3Dデータ化③デコレーションサンプル④量産という流れになりますが、全ての工程は実際のクルマがないと始まりません。通常はマツダミュージアムや研究車両等、マツダが所有する車両を使用していましたが、それでも見つからない時は従業員に協力をお願いしていました。しかしこの「DE型」では、それでも見つからず、途方に暮れていると、マツダオフィシャルグッズ関係者の一人が「(親しみを込めて)カエルデミオなら、元職場のパーツセンター(補修部品の部品庫)の社用車にあったよー」の一言から急展開。モデルカー担当はすぐにパーツセンターにコンタクト。間もなく車検か使用年数の関係で入れ替える予定だったDE型のデミオを借用させてもらうことができました。当時お世話になった関係者の皆さま、ありがとうございました。

  • SAVANNA

    「実はボディカラーにもこんな秘話が・・・」


    マツダファンあるいはロータリーファンの方の中には、このDE型の「スピリティッドグリーンメタリック」のボディカラーを見て、ハッとされた方もいるかもしれません。どこかで見た様な記憶が…。そうです、初代SAVANNA RX-7(SA型)の「マッハグリーンメタリック」です。当時のカラーデザイナーのコメントには、非常に高い人気を誇っていた「マッハグリーンメタリック」のイメージを活かしたとあります。ではDE型デミオにどんな関係が?と思われたあなた!ここにどの様な歴史とそれを繋ぐストーリーがあるかは、ファンの皆さんお一人おひとりのご想像にお任せしますので、妄想を膨らましてみてください。

  • まだまだ書き切れない程のストーリーを持つ「マツダ デミオ」ですが、そろそろ原稿にも限界が来たようです。長い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。 この記事を読んで「マツダ デミオ」、あるいはマツダの歴史を彩った名車たちに興味を持たれた方は、是非一度、「マツダコレクション」オンラインショップを覗いてみてください。きっとあなたの心に響く素敵なグッズに出会えることでしょう。

  • 787Bコレクション

    ●次回予告●


    第2回目は、今年2021年にルマン優勝から30周年を記念して登場した「MAZDA 787B 30TH COLLECTION」のモデルカーたちをご紹介します。どうぞお楽しみに!

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