ラージ商品群技術

* 本ページに掲載の内容は2022年4月に実施したラージ商品群技術フォーラムなどの資料と発表内容に基づいています。
 

ラージ商品群に、
環境負荷低減と抜群の商品力を提供。

「ラージ商品群技術」とはマツダが2023年までにグローバルに導入する、より大型の4車種のSUV「ラージ商品群」に搭載される技術群であり、その狙いは、EV移行期における内燃機関の更なる環境負荷低減と、より上級志向のお客様のニーズを満足する抜群の商品力の実現です。

そのために、縦置き型プラットフォームに、マイルドハイブリッド、プラグインハイブリッド、直列4気筒・直列6気筒ガソリンエンジン、直列6気筒ディーゼルエンジンを、世界各地の規制やお客様のご要望に応じて搭載できるマルチソリューションアーキテクチャーを新開発しました。

CASEの波が押し寄せる100年に一度の変革期に向け、「ラージ商品群技術」には、使用エネルギーの本質的削減、多岐にわたる価値を高効率に提供できるソフトウェアファーストの構造、人間中心の開発哲学のさらなる追求、などが織り込まれています。

 
 

CONTENTS

 

コンセプト

本質的な環境負荷低減に向けて

マツダは2050年カーボンニュートラル化を実現する取り組みの中で、地球環境への対応として、マルチソリューションの考えのもと、
Well-to-Wheel視点の本質的なCO2削減を掲げています。

マルチソリューション

各国の市場において、規制やインフラ、クルマの使用用途など環境が異なり幅広いニーズに対応する必要があります。
これらを踏まえマツダは、各市場に対応できるクルマを適材適所で展開できるように、さまざまな内燃機関や電動化技術に対応できるシステム「マルチソリューションアーキテクチャー」を開発しています。

ラージ商品群技術は、世界各地の規制やお客さまのご要望を考慮した縦置き型アーキテクチャーに
マイルドハイブリッド、プラグインハイブリッド、直列4気筒・直列6気筒ガソリンエンジン、
直列6気筒ディーゼルエンジンの搭載が可能なマルチソリューションアーキテクチャーです。

CX-5やCX-50より大きなサイズと幅広い価格帯を持つ4種類のミッドサイズSUV群「ラージ商品群」として2023年までに導入します。

その狙いは以下の2つです。

1 EV移行期における内燃機関車の
更なる環境負荷低減

  • ● 排気量、気筒数を増やすことによるエンジンの高効率化
  • ● 各国政策・インフラに合わせたP-HEV/M-HEVの適材適所導入
    (コモン・アーキテクチャ構想による電動技術の展開容易性実現)

2 より上級志向のお客さまのニーズを
満足する抜群の商品力

  • ● より大サイズ、大排気量のクルマを意のままに操れる力強い走行性能
  • ● 独自のプロポーションと優れた操縦安定性能

自動車業界はまさに100年に一度の変革期の中にあります。
Connect(IoT化)、Autonomous(自動運転化)、Shared&Services(カーシェアリング)、Electric(EV化)といった
時代の要望に応えるために、以下の3つの方針を織り込んでいます。

1 2050年カーボンニュートラルへの対応

世界で電気自動車への移行が進む中でも、「使用エネルギーの節約」は最も重要と考えています。カーボンニュートラル液体燃料、バイオ燃料など代替燃料への対応に加えて、内燃機関の効率化をゴールと言えるところまで進化させておくことが重要です。

2 提供価値の領域拡大

 

自動車メーカーとして培ってきた安心安全なモノ造りに加え、ハードウェアのパフォーマンスをソフトウェア制御により進化させることで、これからの時代に求められるより幅広い価値を効率的に提供することを実現していきます。

3 「ひと中心」の開発哲学

 

思い通りに走れることは、身体を活性化させ、結果として心も体も元気にしてくれると信じています。運転に自信のある方だけでなく、さまざまなドライバーに、自分で運転することを通じて元気に、ますます活動的になっていただきたいと考えています。


詳しいプレゼンテーションはこちら

(動画:再生時間 10分29秒)

パワートレイン

縦置きプラットフォームをベースに、直列6気筒エンジンSKYACTIV-G/D/Xに加え、
プラグインハイブリッドや48Vマイルとハイブリッドなどの電気駆動システム、トルクコンバータレス8速AT、AWDシステムなどを新開発しました。

3つのポイント

1 環境性能

燃料、排ガス性能、カーボンニュートラルへの備えなど、徹底した環境性能への取り組みを行いました。

2 走行性能

応答が良く、ダイレクトで力強いパワーソースによる走りの良さを実現しました。

3 心の活性化

加速度のつながり、8速ATのダイレクト感・応答性とリズム、理想のペダルワークスペースによる一体感など心を活性化することに注力しました。

縦置きプラットフォームをベースに、直列6気筒エンジンSKYACTIV-G/D/Xに加え、
プラグインハイブリッドや48Vマイルドハイブリッドなどの電気駆動システムや、
トルクコンバーターレス8速ATなどを新開発しました。その一部をご紹介します。

縦置きプラットフォームによるマルチソリューション

エンジン/モーター/トランスミッションを同軸上に搭載。
さまざまなユニットの組み合わせを同体質で効率的に開発できるようにすることで、国や地域ごとのエネルギー事情やお客さまのニーズに合ったマルチソリューションを提供可能にしています。

 

e-SKYACTIV D

大排気量の3.3L直列6気筒ディーゼルエンジンに小さなモーターとバッテリーを組み合わせた48Vマイルドハイブリッド「e-SKYACTIV-D」は、サイズの大きなラージ商品群を自在に操れるような力強いトルク特性とクリーンな排ガス性能、燃費性能を高いレベルで両立しています。

  • B/CセグメントSUV:全長約3,700mm~4,500mmの車両
  • 既存プレミアムミッドサイズSUV(DセグメントSUV):全長約4,500mm~ 4,800mmの車両
e-SKYACTIV PHEV

SKYACTIV-G2.5直列4気筒エンジンに大きなモーターとバッテリーを組合せており、日常の大半でEV走行が可能になります。大トルクと高出力を併せ持ちながら、緻密な駆動力とコントロールを実現しており、人馬一体感を大きく高めます。


詳しいプレゼンテーションはこちら

(動画:再生時間 11分17秒)

プラットフォーム

「ひと中心設計」の進化

マツダが追求していること、それは人馬一体による走る歓びです。

クルマを意のままに操る体験を通じ、ドライバーに感動や活力、自信を感じていただき、
同乗する人にも快適な移動空間で、移動の楽しみをドライバーと共有していただきたいと考えています。

そのためのアプローチが「ひと中心の開発哲学」です。
ラージ商品群のプラットフォームでは、この「ひと中心設計」を進化させました。

エンジン縦置き方式と後輪駆動ベースAWDを採用したプラットフォームでは、
理想的な前後重量配分を実現することで四輪にかかる重量を均等とするようにしています。
ハンドリングの良さと高い安定性を両立した、後輪駆動ベースならではのAWDと合わせることで動的性能を大幅に向上させています。

人間が箸や金槌などの道具を、まるで身体の一部のように同化する能力(身体拡張能力)に着目し、
大パワー/サイズでも手足のように操れるクルマを目指しました。

その実現のため、「操作とクルマの反応の素早いシンクロ(同調)」「路面の外乱、操作変化に対するシンクロの持続」
「クルマの反応を五感で正確に感じ取れる設計」に取り組みました。

操作とクルマの反応の素早いシンクロ(同調)

縦置きアーキテクチャーのメリットを生かし、重量物を重心に集約しています。
慣性マスを小さくし、4輪の力を遅れなく曲がる運動に変換します。

さらにステアリング剛性、フロントサス剛性、リアサス剛性という形で、力の伝達する順に下流になるほど、剛性を高める考え方で、全体の剛性配分を見直しています。力の伝達を途切れなく滑らかに行うことで、クルマの反応の素早いシンクロを高めています。

 
路面の外乱/操作変化に対するシンクロの持続

路面変化などの外乱に対してバネ上の姿勢変化を安定させることが重要となるため、フロントには「ダブルウィッシュボーン」、リアは「フルマルチリンク」を採用しています。タイヤが上下に動く方向を揃えることで、スムーズにストロークし、クルマの曲がる力にバネがシンプルな動きで追従し、ドライバーの操作に安定してシンクロします。

サスペンションはコーナリング時にロールを軽減しながら、車体を引き下げて旋回姿勢を安定させる運転制御技術「キネマティックポスチャーコントロール(KPC)」の効果を最大化するように設計しています。車両旋回姿勢を高効率に実現しました。

 
五感による正確な把握

人とクルマの接点であるシートやエンジン音など”五感刺激の豊かさ”に注力しました。アクセルを踏み込むほどにシートから背中を押される感覚、重厚なサウンド、視線の移り変わりなど、クルマの反応を五感で正確に感じ取れる設計により、クルマとのシンクロ状態、高揚感を感じ取りやすくしています。

操縦安定性では、より人間の能力を活用し、自在感が得られるよう進化しています。
人の快適さ・楽しさでは、ドライバー、同乗者共に酔いや疲れが出にくくなっており、よりリズミカルに楽しく運転していただけます。

より自ら操る自在感が得られるクルマへと進化

快適かつリズミカルに楽しめるクルマへと進化


詳しいプレゼンテーションはこちら

(動画:再生時間 12分21秒)