第34回大会レポート

第34回大会レポート

メディア対抗ロードスターレースとは?

2023年9月9日(土曜日)、茨城県の筑波サーキットで第34回メディア対抗ロードスター4時間耐久レースが開催されました。メディア対抗ロードスター4時間耐久レースは1989年の初開催以来、自動車専門誌やテレビやラジオ、インターネットなどで情報を発信する自動車専門誌の編集者、各誌面へ寄稿する自動車ジャーナリストらが4時間の耐久レースを通じて走る歓びを体感し、その愉しさをメディアを通して発信、自動車文化を育むという趣旨のもと、年に一度開催している歴史あるモータースポーツイベントです。

久しぶりの9月開催!16時スタート!

新型コロナウイルス感染症の予防のため、第31回大会と第32回大会は2.5時間の特別フォーマットとして開催し、前回の第33回大会は3年ぶりに4時間のフォーマットで開催されましたが、12月の開催かつ決勝は12時スタートと例年とは異なるものでした。今大会は久しぶりに夏の暑さが残る9月の開催、そして16時にスタートし、日没後20時のゴールというメディア対抗ロードスター4時間耐久レース伝統のフォーマットへ戻しての開催となりました。

レースだけではない楽しみ方も!

決勝がスタートする16時までの間は、「自動車文化を盛りあげる」というテーマのもと、主催者と参加者が一丸となり、会場各所で様々な催しを行いました。サーキットでは歴代ロードスターの助手席に乗り込みサーキット走行が体験できる「参加チームドライバーの運転によるサーキット同乗体験」、また各ピットでは参加媒体それぞれが趣向を凝らしたお客様との「ふれあいタイム」を実施しました。「ふれあいタイム」では自動車ジャーナリストやプロドライバーとの記念撮影や各媒体のノベルティが当たるクイズやゲーム、ラジオ番組や動画サイトの公開収録など、自動車ファンにはたまらない様々なコンテンツが各ピット前で行われ、会場に足を運んだファンを楽しませました。

芝生広場にはグランツーリスモ7による「バーチャルレース体験」、「お子さま向け整備体験」など家族で楽しめる体験型コンテンツも多数用意。またマツダのニューモデルやMSPR のロードスターに乗り込み写真が撮れるフォトスポットも人気を集めました。さらに広島ブランドショップTAUによる「Hiroshima マルシェ」、オタフクソースによる「お好み焼き試食コーナー」など、マツダ本社のある広島の魅力を感じていただけるコンテンツも用意し、芝生広場は終日多くの笑顔で溢れる場所になりました。このほかロードスター主査の斎藤茂樹ら開発陣によるトークショー、決勝前のグリッドでは各チームを紹介するプラカードキッズなどの企画も会場を大いに盛り上げました。

予選スタート!

決勝のスタート順を決める予選は11:20から行われました。前日からの台風の影響によりセッション前に一時的な雨が降り、20分間の予選はウエット路面でスタートしました。予選開始早々にベストラップを叩き出したのは「team REVSPEED」でした。「team REVSPEED」は4大会連続でポールポジションを獲っており、ドライバーを務める梅田 剛さんは3大会連続で予選ドライバーを務めます。予選前にウェット路面も得意と語った梅田さんは3ラップ目に1分18秒789のタイムを叩き出し今年も速さをアピールしました。

セッション開始から15分が経過し、予選も残り5分になると路面が次第に乾き始め、各チームは最後のタイムアタックに臨むため続々とピットアウトしていきます。「FMドライバーズミーティング with NATS」ら強豪チームは1分18秒台でラップをまとめ、「team REVSPEED」を必死に追いかけます。しかし「team REVSPEED」はここでさらにタイムを縮め、1分17秒406のタイムを記録。「team REVSPEED」はなんと2番手に0.6秒もの差をつけ、見事5大会連続のポールポジションを獲得しました。一方、マツダの開発陣による「人馬一体ロードスター」は7番手から、上位フィニッシュを目指して決勝に臨むことになりました。

いざ決勝!!

台風も過ぎ去り、午後になると強い日差しがサーキットを照り付けはじめます。初秋とは名ばかりの残暑厳しいこの季節に行われる耐久レースは、多くの参加者そしてファンが何年も待ち望んでいたものでした。スタートセレモニーを経て、16:15に毛籠勝弘社長のフラッグを合図に長く過酷な4時間の決勝がスタートし、5年連続のPP獲得となった「team REVSPEED」を先頭に全21台のロードスターが1コーナーへと飛び込んでいきます。

このレースは過去の成績やドライバーの技量を元にチームごとに定めたハンディキャップが主催者から与えられます。このハンディキャップはスタートから30分以内に消化しなければならず、ハンディキャップを与えられた強豪チームが序盤にその消化のためにピットインを行うため、各車のポジションが目まぐるしく入れ替わります。そして各車ハンディキャップを消化した30分時点で首位に躍り出たのは「CAR GRAPHIC RACING TEAM」でした。しかしその後ハイペースで周回を重ねてきた「CARトップ&WEB CARTOP Racing Team」に捉えられ、そのポジションを譲ります。その後1時間にわたりこの2チームがレースを牽引する展開になりました。

ポジションに大きな変動があったのはスタートから2時間を経過した92ラップ目のことでした。「CAR and DRIVER Racing」が最終コーナーでコースアウトを喫し、車両救出のため6ラップにおよびセーフティカーが導入。このセーフティカー導入が、各チームの戦略を狂わせ、上位陣のポジションも大きく変動することになりました。レースが再開されると、安定したラップを重ね、じわじわとそのポジションをあげてきた「ENGINE RACING TEAM」が2番手へ浮上。さらに3時間が経過したタイミングでトップを走る「CAR GRAPHIC RACING TEAM」も捉え、首位を奪取します。

燃料も厳しくなるレース終盤にさしかかると前大会優勝の「NEKO RACING TEAM」がフィニッシュまで残り5分のところでクルマをコース脇にとめ戦線離脱。その一方で燃料の残量を巧みに計算してラストアタックをかけてきた「team REVSPEED」、「テリー土屋のくるまの話」、「CARトップ&WEB CARTOP Racing Team」、そして「J-wave Racing」がそれぞれポジションアップを果たします。なかでも「team REVSPEED」は終盤に1分13秒台のラップタイムを連発する凄まじい追い上げを見せ2番手にまで浮上し、トップを走る「ENGINE RACING TEAM」を猛追。一方「ENGINE RACING TEAM」もガス欠の不安と闘いながらトップポジションを堅守すべく必死に逃げていきます。

そしてレース開始から4時間が経過し、最初にチェッカーフラッグを受けたのは、凄まじい追い上げから見事に逃げ切った「ENGINE RACING TEAM」でした。終盤に会場のファンを釘付けにする走りを見せた「team REVSPEED」はわずか5.7秒及ばず2位でフィニッシュ。3位には「テリー土屋のくるまの話」、4位に「CARトップ&WEB CARTOP Racing Team」、5位に「CAR GRAPHIC RACING TEAM」、6位に「J-wave Racing」という結果になりました。優勝した「ENGINE RACING TEAM」は2018年の29回大会以来5年ぶり3度目の優勝となりました。

人馬一体ロードスターチームのドライバーの中に、実はマツダの取締役専務執行役員兼CTOも!!

盛況のうちに終了した第34回メディア対抗ロードスター4時間耐久レースで、自ら「人馬一体ロードスター」のステアリングをにぎりレースを楽しんだ取締役専務執行役員兼CTOの廣瀬一郎はこのように今大会を振り返りました。

「今年も心の底から楽しめました。きっとみなさんも同じ気持ちだったのではないでしょうか。この楽しいレースをずっと続けていくためには持続可能性にも目を向けていくことが必要です。すでにカーボンニュートラルの取り組みを進めておりますが、モータースポーツにおいてもその取り組むは必要なものだと思っています。このレースは、全車イコールコンディションのなかで速さと効率を高度に両立したものだけが勝者になります。使用する燃料を減らしたうえで、次はこの燃料をカーボンニュートラルの燃料に変えていきたい。こうなると持続可能になり、楽しいレースが続けられると信じています。来年度以降にカーボンニュートラル燃料の適用を視野にいれた準備を進めていきたいと考えています。

またこのレースのもう一つの目的は「自動車文化を盛りあげる」というものです。メディアの方々にも様々な形でイベントに協力いただき、たくさんのお客様の笑顔に触れられたと思っています。こうしてお客様サイドでも持続可能なレースを続けていくことは重要なことです。来年以降もご協力いただき、もっともっとレースを盛り上げていきたいと思っております。来年もこうしてまたここに集まれることを願っております」 」

来年もご期待ください!

次回の第35回大会は2024年9月に開催予定です。「ENGINE RACING TEAM」の連覇なるか、最多10度の優勝記録を持つ「NEKO RACING TEAM」が再び優勝争いに戻るのか、「team REVSPEED」が連続ポール獲得記録をさらに更新し悲願のポール・トゥ・ウインを果たすのか・・・もしくは誰も予想していないチームの大躍進もあるかもしれません。次回のレースが今から楽しみです。

第34回
メディア対抗ロードスターレース
レース結果

  • 1位 #13
    ENGINE RACING TEAM | 国沢 光宏、大井 貴之、鎌田 卓麻、大田 優希、村山 雄哉(監督:塩澤 則浩)
  • 2位 #74
    team REVSPEED | 塚本 剛哲、佐藤 和徳、梅田 剛、後藤 比東至、蘇武 喜和(監督:佐藤 和徳)
  • 3位 #99
    CARトップ&WEB CARTOP Racing Team | 石田 貴臣、中谷 明彦、松本 玲ニ(監督:井上 悠大)

第34回メディア対抗ロードスター4時間耐久レース
第2部 LIVE中継(YouTube)

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