マツダ車ペーパークラフトができるまで

(株)みづま工房デザイナー 宮本栄次さん

CX-3にCX-5、ロードスター、デミオ、アクセラ、懐かしのコスモスポーツにR360クーペ、ルーチェにファミリア、そして3つのカラーのMAZDA3と、ズラリ並んだマツダ車のペーパークラフト。

誕生して8年目を迎え、世界中で楽しんでいただいているペーパークラフトですが、このペーパークラフトがどのように作られているか、皆さんご存知ですか?実は、マツダのデザイナーと、社外の専門デザイナーの連携により誕生しているんです。

こちらがマツダのデザイナー、畠山義弘です。
もともとクルマのエクステリアデザインをしていた、いわば造形のプロフェッショナル。

マツダデザイナー 畠山義弘

そして、このページの一番上に写っているのが(株)みづま工房*のデザイナー 宮本栄次さんです。
宮本さんも大学時代に彫刻を専攻されていた、造形のプロフェッショナルです。

* 昭和20年に広島市内で創業した広告代理店。

ペーパークラフトが誕生するまでの流れは、「企画→開発→生産→お客さまへ」と、クルマができるまでとよく似ています。

まずは企画。「そろそろ新しいクルマが出るからペーパークラフトを作りたい」とか「100周年にあわせて特別なペーパークラフトを用意したい」という思いからスタートします。その企画の根底には、「クルマが好きな子どもたちがもっともっと増えたらいいな、ペーパークラフトを通じて、モノづくりを楽しんでもらいたいな」という願いがあります。

最初の企画がまとまったら開発へ。まずはみづま工房の宮本さんが第1原稿を作り、マツダの畠山がチェック。びっくりしたのは、宮本さんが第1原稿を作られる際、まず「粘土から作る」ということです。

マツダ車ペーパークラフトができるまで

マツダ車ペーパークラフトができるまで

彫刻を勉強された宮本さんは、「立体にしていく」ことを大切にされていて、とことんオリジナルにこだわり、作られています。カタログやオフィシャルサイトの画像ではわからない細かい部分は、実際に街で走っているクルマを見たり写真に撮ったり、自分の感覚を大切にして作り始めているそうです。

マツダ車ペーパークラフトができるまで

マツダ車ペーパークラフトができるまで

納得できるまで二人で何度もやりとりをしながら最終稿を完成させ、いよいよ生産段階へ。こうして印刷物やデータが誕生し皆さんのお手元に届きます。


ペーパークラフト開発に携わる、二人のデザイナー。
二人には、ペーパークラフト開発で大切にされている思いが、3つあると言います。

1つ目は、「たくさんの子どもたちに作ってもらいたい」ということです。

そのために、まずは、ケガなく安全に作ってもらえるように、手数を少なく、簡単に作れるように工夫しています。さらに、マツダのペーパークラフトは、自分の好きな色に塗ってみたり、将来乗りたいクルマを作ってみたりして、たくさんの子どもたちに楽しんでもらえるようにボディを白地にしています。二人は、ペーパークラフトの作成を通して、クルマが好きな子どもたちがもっともっと増えたらいいなと願っています。
(ちなみに、マツダのデザイナーの畠山は、小さい頃は怪獣のイラスト、小学校高学年の時はクルマのイラストを描くのが大好きだったそうです。)

ペーパークラフト

2つ目は、「ペーパークラフトからもマツダの魂動デザインを感じてもらいたい」ということです。

小さいお子さまだけでなく、マツダ車のファンでいてくださる幅広い世代の方からも、その仕上がりに納得していただけるよう、魂動デザインの美しさ、曲面に宿る生命感をペーパークラフトでも表現しています。たとえば、MAZDA3のリアの曲面。滑らかな曲面にするためには、どの方向から紙を巻くと美しいか、何度も何度も紙上での面の取り方、レイアウトを変えてベストなものへ作り込んでいきました。同じようなクルマでも平面の取り方で印象が随分変わるそうです。また、実際のクルマのチーフデザイナーにも見てもらって、ここはもっとこうしたらいいね、などアドバイスをもらっています。

ペーパークラフト

ペーパークラフト

3つ目は、「子どもから大人まで、モノづくりに夢中になる瞬間を体験してもらいたい」ということです。

自分の好きなことに一生懸命に夢中になる瞬間、このことをぜひ体験してもらいたいそうです。ペーパークラフトは一枚の紙を立体的に仕上げていく過程の中に、豊かな創造力を育むたくさんの可能性を秘めています。例えば、「ルーフからボディはつながっていて、のりづけをすると硬い感じがするので、どのようにすれば曲面が美しく表現できるかな?紙を円柱にクルクル巻いて滑らかな丸みをつけてみてはどうだろう?」など、クレイモデラーになった気分で、ぜひ想像しながら取り組んでみてください。あれこれアイデアが浮かぶ瞬間は、とっても楽しい時間になることでしょう。

できた!

ペーパークラフト開発者の二人は、たゆまぬ努力とチャレンジ精神を内に秘めつつ、楽しそうに笑顔で語ってくれました。作り手の熱い思いと夢が詰まっているペーパークラフト。マツダは、これからも世界中の子どもたちにモノづくりの楽しさを感じてもらうことや達成感を味わっていただくようなプログラムをお届けしていきたいと思っています。

ペーパークラフトを上手に作るコツ

山折り、谷折りのところは、書けなくなったボールペンでなぞって溝をつけておくと綺麗に折ることができます。自分で印刷するときは、一般的なコピー用紙よりも少し硬さや厚みのある紙を使用すると綺麗に仕上がるので、おすすめです。(宮本さん)

のりをつけすぎると曲面がうまく出ないので、のりは薄く塗って、指で押さえて固めるのがオススメです。曲面を出したい部分を指でこすると、綺麗な曲面が出ます。(畠山)

最後に、これまでペーパークラフトづくりを楽しんでくださったお友達の作品をご紹介します。皆さんも楽しんで作ってみてくださいね。

2016年実施 「デミオ」ペーパークラフトオリジナルデザインコンテスト受賞作品
2016年実施 「デミオ」ペーパークラフト
オリジナルデザインコンテスト受賞作品

2017年実施 「デミオ」「ロードスター」ペーパークラフトオリジナルデザインコンテスト受賞作品
2017年実施 「デミオ」「ロードスター」ペーパークラフトオリジナルデザイン
コンテスト受賞作品