トップメッセージ

マツダ株式会社 代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者) 毛籠 勝弘 マツダ株式会社 代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者) 毛籠 勝弘

現在、社会を取り巻く環境は大きく変化し、不透明かつ不確実な時代にあります。この時代の大きな変化の中、マツダは、ブランド価値経営を一貫して推進し、未来の社会を生きる人々に必要とされる会社になるため、指針となる「企業理念」を制定しました。また、未来に向かってステークホルダーの皆さまと共に価値創造を進めていくべく、2030年時点のマツダのありたい姿を「2030 VISION」として定めました。この実現のために、地球・人・社会の領域において、日々挑戦を続けています。

地球の領域では、「2050年サプライチェーン全体でのカーボンニュートラル」に挑戦しています。クルマ・技術においては、地域のお客さまのニーズや電源事情に応じて、適材適所でソリューションを提供していく「マルチソリューション」のアプローチのもと、2030年に向けた電動化戦略を公表済みです。第1フェーズでは本格的電動化時代に向けた開発・生産領域の技術開発を強化し、第2フェーズでは電動化へのトランジションを行い、第3フェーズではバッテリーEV本格導入を開始する計画です。また、クルマづくりの考え方においては、「2035年グローバル自社工場のカーボンニュートラル実現」を掲げ、省エネルギー、再生可能エネルギー、カーボンニュートラル燃料の取り組みを柱に進めます。今後も、パートナー企業との協業を強化しながらカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを進めていきます。

人の領域では、2023年8月に人権方針を制定しました。マツダは、人権尊重は企業活動における基本であると考え、社内外を問わず全ての企業活動において、いかなる人権侵害も容認しないという姿勢を示しています。また、マツダにとって、人は最も重要な資本であり、各人の能力向上とその成長の総和が会社の成長の源泉です。今後は、より「現場」に光を当て、支援する組織文化を育み、日々苦労しながら最前線で頑張っている「現場」の従業員一人ひとりが創造性を発揮し、価値を創り出せるような組織づくりを進めます。これにより、マツダが提供する価値をさらに高めることで、お客さまにいきいきとする体験をお届けし、地域のコミュニティや経済の活性化にも貢献していきます。

社会の領域では、人の研究に基づいた高度運転支援技術の開発を継続しており、代表例として、ドライバーが運転継続不能な状態に陥った際にクルマを減速・停止させる「ドライバー異常時対応システム(DEA)」の導入市場の拡大を進めています。自動車技術の改良を進め、運転者や同乗者はもちろんのこと、クルマを取り巻くさまざまな人々や社会の声に耳を傾けつつ、人の幸せを第一に、事故のない安全・安心な社会づくりに貢献していくことは私たちの重要な責務です。安全技術開発に加え、地域や社会と連携し「死亡事故ゼロ」を目指し取り組んでいきます。

これらの取り組みを行う上で、重要な基盤となるのがコーポレートガバナンスです。全15名の取締役で構成される取締役会には、2名の女性を含む多彩な知見や経験を持つ社外取締役6名が含まれています。また社内からも女性執行役員が誕生し、更なるジェンダーやスキルなどの多様化を図り、さまざまな視点で自由闊達な意見交換を行うことで、マツダの価値創造の向上へつなげてまいります。また、コンプライアンスの順守を徹底し、公正で透明かつ迅速果断な経営の意思決定を行えるよう、ガバナンスを継続的に強化していきます。
マツダはこれからも「走る歓び」を時代に合わせて進化させ続け、日常に動くことへの感動や心のときめきを創造し、お客さまの「生きる歓び」を通じて社会に貢献していきます。従業員およびグループ企業、パートナー企業、地域の方々などと想いを一つにし、社会から信頼され、未来の人々に選ばれ続ける企業を目指し、努力を続けます。

マツダ株式会社
代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)

毛籠 勝弘